ちょうど国会審議で、駆けつけ警護に関する統合幕僚監部の内部資料が話題となっていますが、今日は国際平和協力法(PKO協力法)の改正についてフォローしていきたいと思います。
PKO協力法の改正では、PKOに参加する自衛隊が実施できる業務の拡大と、非国連型(国連が統括しない)「国際連携平和安全活動」の新設の2つが大きな柱です。
PKO業務は、従来、停戦監視や被災者支援を行ってきましたが、これに加えて安全確保、そして「駆けつけ警護」が業務に加えられることになります。
「駆けつけ警護」について簡単に説明しますと、他国軍部隊や住民、NGO等民間人に対する武力攻撃が発生した際に、自衛隊が救援に当たるというものです。
この「駆けつけ警護」や安全確保業務を可能とするにあたって武器使用基準で「任務遂行のための武器使用」を認めることとなります。
これまでは「自己保存型」、つまり部隊・隊員の自衛に際してのみ武器使用が認められていましたが、救援という任務のための武器使用、場合によっては襲撃している武装勢力等に対する発砲等が可能となります。
日本のPKO参加5原則(後述)では紛争当事者間の停戦合意がPKO参加の前提となっており、自衛隊や他国軍が派遣されるのは現に戦闘が発生していない地域ですが、政情の急変、紛争の再燃という緊急事態が発生した場合、自己保存はもちろんですが、紛争で危害が及びかねない住民等の保護が求められる場合があります。
次に「国際連携平和活動」です。PKO、平和維持活動はその多くが国連の統括の下に実施されていますが、国連以外の主体、例えば地域機構が、平和維持活動を実施しているケースがあります。
具体的にはソマリアでアフリカ連合(AU)が行っている「ソマリア平和維持活動(AMISOM)」が挙げられます。また、現在では国連PKOに移行していますが、西アフリカのマリ北部を過激派武装勢力が勢力を拡大した当初は、ナイジェリア等西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)によって編成されたアフリカ主導の軍事ミッション(AFISMA)が展開して事態に対応しました。
このように、国連以外の枠組みでの平和維持活動、国際連携活動が行われるようになっており、それに日本も参加できるようにするというのが法改正のもう1つの目的です。
ただし、なんでも「国際連携平和活動」ということで自衛隊を派遣できるわけでは、当然ありません。
先ず、日本にはPKO参加5原則があります。
① 紛争当事者の間で停戦の合意が成立している
② 国連平和維持隊が活動する地域の属する国及び紛争当事者による我が国の参加への同意
③ 国連平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的な立場
④ 上記原則が満たされない状況が生じた場合、我が国の部隊が撤収できる
⑤ 武器使用は要員の生命等の防護のための必要最小限のものを基本とする
これに加えて、「国際連携平和活動」参加のための要件が設けられています。
簡単に並べると国連の決議、国連機関もしくはEU等地域機構の要請、そして平和維持活動が行われる国の要請がありかつ国連主要機関の支持があることです。
PKO、またはこれに類する平和維持活動そのものは、「国際平和協力」であり国家として自衛権発動には当たらないですし、国連PKOはもちろんのこと、「国際連携平和活動」も国連決議等、国際法上合法、禁止されている戦争にはあたらないと理解されます。
我が国においては派遣された自衛隊部隊が部隊・要員の自衛(正当防衛・緊急避難)においてこれまで武器使用を認めてきましたが、今後は業務の拡大に伴い、活動地域の治安が悪化した際にも武器使用が求められ、認められるケースが出てきます。
国家としての集団的自衛権の発動(密接な関係にある国Aが攻撃を受けた場合に日本が共同対処する)ではありませんが、部隊レベルの集団的自衛権の発動(他国軍、住民、国連職員、NGO等民間人が危機にある際に派遣部隊が対処する)と言えるでしょう。
PKO協力法関係は以上です。次ですが、「重要影響事態」に関する2つの法律、周辺事態安全確保法改め「重要影響事態安全確保法」と「船舶検査活動法」改正について見ていきます。
これまでは「自己保存型」、つまり部隊・隊員の自衛に際してのみ武器使用が認められていましたが、救援という任務のための武器使用、場合によっては襲撃している武装勢力等に対する発砲等が可能となります。
日本のPKO参加5原則(後述)では紛争当事者間の停戦合意がPKO参加の前提となっており、自衛隊や他国軍が派遣されるのは現に戦闘が発生していない地域ですが、政情の急変、紛争の再燃という緊急事態が発生した場合、自己保存はもちろんですが、紛争で危害が及びかねない住民等の保護が求められる場合があります。
次に「国際連携平和活動」です。PKO、平和維持活動はその多くが国連の統括の下に実施されていますが、国連以外の主体、例えば地域機構が、平和維持活動を実施しているケースがあります。
具体的にはソマリアでアフリカ連合(AU)が行っている「ソマリア平和維持活動(AMISOM)」が挙げられます。また、現在では国連PKOに移行していますが、西アフリカのマリ北部を過激派武装勢力が勢力を拡大した当初は、ナイジェリア等西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)によって編成されたアフリカ主導の軍事ミッション(AFISMA)が展開して事態に対応しました。
このように、国連以外の枠組みでの平和維持活動、国際連携活動が行われるようになっており、それに日本も参加できるようにするというのが法改正のもう1つの目的です。
ただし、なんでも「国際連携平和活動」ということで自衛隊を派遣できるわけでは、当然ありません。
先ず、日本にはPKO参加5原則があります。
① 紛争当事者の間で停戦の合意が成立している
② 国連平和維持隊が活動する地域の属する国及び紛争当事者による我が国の参加への同意
③ 国連平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的な立場
④ 上記原則が満たされない状況が生じた場合、我が国の部隊が撤収できる
⑤ 武器使用は要員の生命等の防護のための必要最小限のものを基本とする
これに加えて、「国際連携平和活動」参加のための要件が設けられています。
簡単に並べると国連の決議、国連機関もしくはEU等地域機構の要請、そして平和維持活動が行われる国の要請がありかつ国連主要機関の支持があることです。
PKO、またはこれに類する平和維持活動そのものは、「国際平和協力」であり国家として自衛権発動には当たらないですし、国連PKOはもちろんのこと、「国際連携平和活動」も国連決議等、国際法上合法、禁止されている戦争にはあたらないと理解されます。
我が国においては派遣された自衛隊部隊が部隊・要員の自衛(正当防衛・緊急避難)においてこれまで武器使用を認めてきましたが、今後は業務の拡大に伴い、活動地域の治安が悪化した際にも武器使用が求められ、認められるケースが出てきます。
国家としての集団的自衛権の発動(密接な関係にある国Aが攻撃を受けた場合に日本が共同対処する)ではありませんが、部隊レベルの集団的自衛権の発動(他国軍、住民、国連職員、NGO等民間人が危機にある際に派遣部隊が対処する)と言えるでしょう。
PKO協力法関係は以上です。次ですが、「重要影響事態」に関する2つの法律、周辺事態安全確保法改め「重要影響事態安全確保法」と「船舶検査活動法」改正について見ていきます。
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