中国が現在推し進めているA2/AD(Anti-Access, Area-Denial)や、これに対抗すべく米国が打ち出したAir Sea Battleについては多くの議論が為されておりますし、今更1から言うこともないでしょう。
他方で、日本がどのように中国海軍の近代化とより野心的なその動きに対処していくのかということは、いくつかの提言がありますが、米海軍大学のジェームズ・ホームズ教授の論考をやはりNI誌で読みましたので、これをたたき台に一つ取り上げてみます。
他方で、日本がどのように中国海軍の近代化とより野心的なその動きに対処していくのかということは、いくつかの提言がありますが、米海軍大学のジェームズ・ホームズ教授の論考をやはりNI誌で読みましたので、これをたたき台に一つ取り上げてみます。
ちなみに、ホームズ教授は上記論考において、オーストラリアが現在のコリンズ級の後継候補として考えている「そうりゅう型潜水艦」について取り上げ、米海軍も原子力潜水艦(ヴァージニア級)にこだわらず、静かなディーゼル型の通常動力型潜水艦の取得も視野に入れるべきではないかと述べておられます。
誰もが指摘し否定できないところですが、西太平洋の海域において現在のトレンドで行くと、例えば2030年に想定されるところ、25隻~33隻のSSNs(+海自潜水艦22隻)で人民解放軍海軍(PLAN)の潜水艦70隻以上に対抗しなければならないという、数的不利が生じます。この47対70という数字も、戦力を全て集中できるという非現実的な前提に立っています。
この問題に対処する上で、米海軍はユニットコストが安くバジェット的にも受け入れられるし(単純計算でそうりゅう級5隻≒ヴァージニア級1隻)、日本のほか豪州ともプラットフォームを共有することで多国籍潜水艦部隊(a multinational East Asian submarine force)を組めたり、日本やグアムからだけでなく南からもオペレーショできるよと、そうりゅうのような通常動力型の優れた潜水艦をもっと組み込むのはどうだろうと述べておられるわけです。
もちろん、米海軍の潜水艦艦隊、海軍全体、議会、防衛産業から圧倒的な抵抗があることは教授も認められるところですし、オーストラリアでも既に全部日本で製造することに雇用等への影響から反対意見が出ているのは報じられているところ、簡単にスイッチできるものとは考えておりません。
さて大ざっぱにご紹介したところで本題ですが、日本が選択し得る戦術を考慮するにおいて、2pの「(日米同盟軍は)中国のアクセス拒否へにはアクセス拒否で返せ」というのがホームズ教授の基本的なラインとなります。
第一列島線に沿って展開した潜水艦、水上艦、陸上ミサイル部隊、沿岸部からの航空戦力によって、中国側が列島線上に上陸拠点を確保することを阻止し、重要な水道から西太平洋へ抜けるのを妨げ、通行を危険にできるとしております。
一言でまとめると、一種の相互確証海上覇権拒否(a kind of mutual assured sea denial)を成立させろという案です。
潜水艦戦や、ここでは触れられていませんが機雷戦は、日本が単独でも地理的+質的優位を保持しており、見通し得る将来においても中国に後れを取ってはならない領域でしょう。
10年後20年後を予測することはできませんが、中国経済が決定的な破局を迎えでもしない限り、かの国は海軍を含め軍事力の全面的な近代化・増強に多くのリソースを割いてくるでしょう。
日本や米国が十分な投資を行わない場合、彼我の戦力差が縮まるのはもちろん、一部では質的に逆転される可能性は否定できないものです。
絶対的な経済力・軍事力において日本が中国と張り合うのは基本的に難しいと見られるところ、相手方の弱い部分を的確に衝けるようにしておくことで、中国側の戦争のコストを引き上げることが求められます。
もちろん、米海軍の潜水艦艦隊、海軍全体、議会、防衛産業から圧倒的な抵抗があることは教授も認められるところですし、オーストラリアでも既に全部日本で製造することに雇用等への影響から反対意見が出ているのは報じられているところ、簡単にスイッチできるものとは考えておりません。
さて大ざっぱにご紹介したところで本題ですが、日本が選択し得る戦術を考慮するにおいて、2pの「(日米同盟軍は)中国のアクセス拒否へにはアクセス拒否で返せ」というのがホームズ教授の基本的なラインとなります。
第一列島線に沿って展開した潜水艦、水上艦、陸上ミサイル部隊、沿岸部からの航空戦力によって、中国側が列島線上に上陸拠点を確保することを阻止し、重要な水道から西太平洋へ抜けるのを妨げ、通行を危険にできるとしております。
一言でまとめると、一種の相互確証海上覇権拒否(a kind of mutual assured sea denial)を成立させろという案です。
潜水艦戦や、ここでは触れられていませんが機雷戦は、日本が単独でも地理的+質的優位を保持しており、見通し得る将来においても中国に後れを取ってはならない領域でしょう。
10年後20年後を予測することはできませんが、中国経済が決定的な破局を迎えでもしない限り、かの国は海軍を含め軍事力の全面的な近代化・増強に多くのリソースを割いてくるでしょう。
日本や米国が十分な投資を行わない場合、彼我の戦力差が縮まるのはもちろん、一部では質的に逆転される可能性は否定できないものです。
絶対的な経済力・軍事力において日本が中国と張り合うのは基本的に難しいと見られるところ、相手方の弱い部分を的確に衝けるようにしておくことで、中国側の戦争のコストを引き上げることが求められます。
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