ページ

このブログを検索

2/11/2014

ヒトの話を聴け

とあるアンパンマンみたいな顔した某党幹事長が、どこまでも続く田中角wayで選挙について話していることに、「握手した人数以上の票は出ない」というものがあります。

これは至言だなと個人的に思っていて、昨今のネット選挙だ〜と意識高く現実世界から飛んで行っている連中は、いつぞやの焦げパンマンになったゲルの画像を眺めて、骨の髄に選挙がコミュニケーションであることを叩き込む必要があると思うのです。

よくネットの利点は双方向でインタラクティブと挙げられていますが、そこでのコミュニケーションは狭くクローズドで、仲良しこよしな内輪で盛り上がって視野が狭まっているんですよね、どの陣営を観察していても。

Twitterで泡沫候補の家入氏の支持者などを見かけたんですが、ポスターのアプリが凄いヤバい熱いな感じで、楽しそうだけど外野にはちっとも伝わってこなくて、共有するところが見出せなかったですね。

家入氏とその周辺部に見るのは、アプローチしてきたりリアクションをくれる一部ばかり見ていて、もっと遥かに広い有権者全体をち〜っとも見ていない、ディスコミュニケーションしてるってところです。

敗戦後の彼のツイートでネットでもっと発信していきたいというものがあったのですが、彼の発信が拡散・伝播するのは極めて限られた範囲で、サークルのメーリスみたいなものに終わるでしょうね。あるいはチェーンメールかな。

冒頭に意識高いと表現しましたが、政治クラスタに参加してアクティブなのって、インターネッツにおいてさえ限られた層なんですよ、況や現実をやなんですよ。

政治クラスタですら細分化・極化して交わらないところがあるわけで。試しに旅行とか美容とか剛力とか、政治と縁遠いワードでブログ検索でもすりゃわかるでしょうが、日頃全く関心がないのが圧倒的多数で、そういう層にリーチしないでしょ。

そんでもってご承知の通り、我が国はシルバーデモクラシーの世界チャンピオンでして、最も数は多く、数の力で意識高い20代を圧殺する層はリアルでないと捉えられない。

あと、発信面の問題以上に、受信面の問題が非常に大きいかなと。

選挙においてネットを最も上手に活用しているのは自民党だと理解しています。なぜ? 世論調査と並行してネット上に溢れる「声」を拾う努力(ソーシャル・リスニング)をしているわけでして。

他の陣営はあまり「他人」の話を聞かない、マインドセットが強化されて現状分析が出来ていないのが多いと。あくまで観察できた範囲内ですけどね。

ここで留意しておかなければいけないのは、サイレントマジョリティーはネット上では拾うことが難しい。というかパッシブなので、メディアが拡声しようにも声自体発していないことが多々あるわけで。

そのような多数派は、モニターの前では見えない。街に出て、行き交う人を見なければ、と思うところです。実際、街を歩いてみて、どの地域にどんな人が住んでいて、住宅はどんな感じか、車はトヨタが多いなとか、グーグルマップとかデータ化された資料では抜け落ちた情報があり。

繰り返しますがネット上で拾える声なんてごく一部だし、発信したのが届くのも現状限定的。

テクノロジーの進歩と、その有効活用で社会をより良く変えていけるというのも間違いじゃないんだけどね。

SNSやIT、アプリを巧みに使いこなして洗練された選挙カッケーはわかるんですよ。けど、所詮は手段のための手段に過ぎないわけで。ダサかろうが泥臭かろうがかっこ悪かろうが、勝たなきゃ。


文明とは伝達である。でも、何かを表現していなくても、そこには人間が存在していてね。


2/09/2014

TONOSAMA細川元首相はなぜ敗れたのか?

国政選挙のない年に都知事選挙を安倍ちゃんの審判と位置づけようとしてあえなく失敗した諸君、ご苦労様です。

各社世論調査や自民党の独自調査では大勢は決しつつあり、消去法で消極的支持を集めた舛添元厚労相が勝つ可能性が高いようですが、つまらないね。

ただ、選挙はお祭りかもしれないけれど、2期8年の都政を委ねる我々都民としては、無難、安パイ、マシの都知事で粛々と、某O阪みたいに振り回されなければいいだけでしょう。

さて、本日はなぜ元首相のお殿様が、あまりポジティブな評判を聞かずネット上で右からも左からも砲火を浴びている片山さつきの元旦那・・・のみならず弁護士でもけんじとさえどっこいおむすび君な結果に終わりそうなのかを分析と称して書き連ねていきます。

敗因は色々あるでしょう。あの黒い背景にぼんやりとした76歳が佇んでる感じのポスターもその一つでしょう。

着眼するところは「マイナスからプラス! ネガティブからポジティブ!」です。smile!

昨年の五輪招致成功によって、2020年を一つの節目として目標を持ち、この不確かなことが多い時代にはっきりとした未来を持ち得た人は少なからずいるわけでして。

失われた20年に疲れ果てた民草にとって、少しずつ出てきた上昇気流に乗って一息つきたい、前向いて生きたいのが偽らざるところでしょう。

そこで「脱成長」だの「五輪返上」だのダウンフォースかける、潮流が掴めていない。20年前、10年前の首相連合という過去(それも苦しい時代)からの来訪者に惹かれるものがないのです。

あと、8か月で首相を辞任した細川元首相も、また5年総理の座にあったジュンイチローも、当初は期待を膨らませたけど大きく裏切ったよねーと。

民主党の3年3か月も加えて学習したから、期待値低めな安倍ちゃんでも返り咲き、まずまずの短期的成果にやや高い支持率がついてきてるのでしょう。

次いでに言えば朝日あたりの調査で景気雇用が争点との回答が3割と高齢者福祉を上回っておりますが、まだまだ景気回復が途上で弱いことを反映しているのかなと。

このような基本前向き、だけど過度に楽観的ではなく現実的な有権者の多くを、2人は見誤っていた。いや、そもそも見ていたかも怪しいでしょう。

小泉で脱原発ワンイシューで突破だ!と05郵政選挙よ再びと思われたのもいるでしょう。タネの割れた手品が簡単に通用しなくて良かった、と心底思います。

「過去」の成功体験に囚われるのは典型的な失敗の本質でしょう。むしろ目を向けるべきはより最近の総選挙であり、都議会選挙であり、参議院選挙でした。はい、「脱原発」は争点にならずその勢力はことごとく敗れました。

だいたい、小泉劇場なんてのは監督・主演・脚本演出小泉で成り立つもので、今回の主演すなはち候補はあくまで細川元首相である以上、はなっから無理でした。自力で風を作った小泉、かたや小泉フィーバーに頼った細川、役者が違いました。 

「過去」に足をとられたと言えば、まさにカネの問題で辞めた知事の後任を選ぶ選挙、カネで失敗し評価を落とした人は選ばれにくいものでした。

訴える本人に問題あり、訴える対象を見誤り、訴える時と場に疑問符がつき・・・負けに不思議の負けなしです。天・地・人全てを欠いた殿様無様。