氏は話の中で、「イスラエルは『弱く貧しい』哀れなユダヤ人国家が『豊かで強くて邪悪な』アラブ諸国に侵攻されている!というnarrativeで国際社会(≒the West)、とりわけ同情と莫大な支援を得てきた。シモン・ペレス(現大統領)はこの世界(物乞い)のチャンピオンだね」といった趣旨のことをさらっと述べておられました。
ウォルト&ミアシャイマーのThe Israel Lobby and US Foreign Policyの前半部分第1章"The Great Benefactor"に詳しいですが、2005年までにイスラエルは経済・軍事支援で計1540億ドル相当の支援を米国から受けてきました。これはほんの一例で、陰に陽にイスラエルは米国から多くを得てきました。
今再び、パレスティナ・ガザ侵攻と対ハマス軍事作戦が連日国際ニュースのトップを(ウクライナ東部でのマレーシア航空機撃墜事件と並んで)占めていますが、今回改めてイスラエルの貢がせ上手を再確認させられました。
それは同国のミサイル防衛システム「アイアンドーム」についてです。(以下はForeign Policyの記事を参照にしております。)
今般の紛争においても、度々ガザ等から発射されたロケット弾を迎撃・無効化し、イスラエル側の犠牲を抑えています。イスラエルは最終的に地上軍侵攻作戦に踏み切りましたが、人口密集地への攻撃を(イスラエル側曰く)90%シャットアウトできるアイアンドームは、犠牲者の最小化で報復地上戦の必要性を薄れさせていたとの指摘も出ています。
このアイアンドームについて、米議会上院歳出小委員会(appropriation subcommittee)は7月16日、プログラムの拡張にさらに1億7,500万ドル拠出すること(2015年会計年度の国防総省要求1億7,500万ドルに上乗せ、つまり倍増と筆者理解)で全会一致で合意しました。ちなみにアイアンドームは2011年以来7億2,000万ドルの資金支援を受けています。
しかも、今年3月5日の両国間の合意でアイアンドーム関連の生産(イRafael社と米Raytheonがパートナー)について2014年に30%、2015年に55%を米国内で生産すると取り決めたとのことですが、以前は米国内での調達は予算の3%程度でしかなかったとのこと。
米国からも資金がつぎ込まれることへの支持理由は(1)多くの市民の生命を守っている(2)費用対効果に優れている(3)アイアンドームの技術が米国のミサイル防衛システム改善に資するといった観点から。
最終的に米国の防衛能力向上で回収される名目があるとはいえ、兵器システム開発で多分に米国の支援に裨益してきたイスラエルには、ただただ驚嘆するのみです。
ケリー国務長官が最優先で取り組みながら失敗に終わった中東和平交渉や今回のガザ侵攻で、米国は支援を梃子にイスラエル側の意思決定に影響力を及ぼせていないなと感じますが、米国内におけるロビーも含めてやはりイスラエルは「特別」だと思いますね。
しかも、今年3月5日の両国間の合意でアイアンドーム関連の生産(イRafael社と米Raytheonがパートナー)について2014年に30%、2015年に55%を米国内で生産すると取り決めたとのことですが、以前は米国内での調達は予算の3%程度でしかなかったとのこと。
米国からも資金がつぎ込まれることへの支持理由は(1)多くの市民の生命を守っている(2)費用対効果に優れている(3)アイアンドームの技術が米国のミサイル防衛システム改善に資するといった観点から。
最終的に米国の防衛能力向上で回収される名目があるとはいえ、兵器システム開発で多分に米国の支援に裨益してきたイスラエルには、ただただ驚嘆するのみです。
ケリー国務長官が最優先で取り組みながら失敗に終わった中東和平交渉や今回のガザ侵攻で、米国は支援を梃子にイスラエル側の意思決定に影響力を及ぼせていないなと感じますが、米国内におけるロビーも含めてやはりイスラエルは「特別」だと思いますね。