「アメリカ衰退の神話'The myth of American Decline'」で先月話題になっていたRobert Kaganがアメリカが世界をより自由に、安全に、より豊かにしてきたんだよ!!!とCNNへの寄稿で述べているのを見て苦笑いを浮かべるなど。
「1941年には1ダース程度だった民主主義国家は今日は100以上に増え、20世紀の後半に世界のGDPは年平均4%増え、十億単位の人々が貧困を脱し、過去60年にわたって(大国家間の)戦争はなくなった」
それもこれをアメリカがグローバルなリーダーシップを発揮して秩序を維持してきたからだ、アメリカがその地位を退いたらこの秩序は誰が維持するんだ? という根本的な疑問には確かにポストアメリカを主張する知識人層は答えることが求められるだろうけど、彼が心配するようにパワーシフトがロシアや中国のような専制国家に好ましい世界秩序を形成することは考えにくいし、自由主義市場経済はジグザグ走行を余儀なくされつつももっとも優れた世界経済システムとして生き残るだろう。ロシアや中国の「国家資本主義」が米国「市場資本主義」に取って代わることは、おそらくない。もっと言えばNiall Fergusonが指摘するように、程度の差こそあれWe all are state capitalists!じゃないかと。
アメリカの相対的衰退、dominant powerから頭ひとつ抜けたgreat powerへの「降格」がそのまま既存の国際秩序の退潮に結びつく。このようなKaganの主張はネオコン特有の傲慢(hubris)であるなと思うね。
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